オーナーインタビュー Vol.2

稼働率120%!? いつも心は蓼科に

蓼科なら、何でもできる。
矢部さんと話していると、そんな気分になってくる。
20年以上にわたり別荘へ通い 、
今なお週末のほとんどを 蓼科で過ごす矢部俊男さん。
その魅力の源泉をたどってみた。

まず右のドラム缶をご覧いただきたい。これは、石釡に匹敵する熱効率を目指した矢部さん自作のピザ釡である。本格的な石釡は100万円近くもするが、サンダーで切削して作ったドラム缶釡は、5,000円でおつりが来たとか。ナラなど香りのいい薪で焼くと、ほんのりスモーキーな絶品のピザが焼き上がるという。

ドラム缶の釡という発想もスゴイが、それを見事にカタチにしてしまうところがかなりスゴイ。ここが普通の住宅地だとしたら、アイデアレベルに留まっていただろう。蓼科の別荘なればこそである。

矢部さんが、チェルトの森に別荘を建てたのは、22年前。お父様が所有していた土地を受け継ぎ、自分自身で設計した別荘を建築した。

「父はリタイア後に別荘を建てて、孫を呼び寄せたいと考えていたのですが、残念ながら夢を叶える前に急逝してしまいました。父の気持ちに応えたいという思いもあって、子供たちと自然の中で休日が過ごせる別荘を建てることにしたのです。」

以来、埼玉県志木市の自宅マンションから毎週末のように通い、子供が小学生の頃は夏休み中の1ヶ月にわたって滞在。木のハンモック、ブランコ、秘密基地、リスやノウサギとの追いかけっこ…。森の中は、子供たちのワンダーランド。自然観察や木工細工など、自由研究の題材にも事欠かない。矢部さんは夏休みの度に、金曜の夜蓼科へ入り、月曜の朝東京へ出社する暮らしを続けたという。

蓼科と都会を自由に往き来し、八ヶ岳山麓というスケールの大きな自然の中でのびのびと子供を育てる矢部さんの影響を受けて、別荘を購入した友人も多いそうだ。

そして、子供たちにかけがえのない自然体験をもたらしてくれた蓼科は、矢部さんにとってもワンダーランドだった。学生時代から夢中だったバイク熱がさらに加熱。別荘の西サイドにガレージを設け、1983年からの相棒であるBMW・R80G/Sをスタンバイさせている。

「自分の庭にコースがあるのが、夢だったんですよ」と指差す方向には、なんと!草を刈り込んだ自作のシングルトラックが延びている!まさに全ライダー羨望のマイコースである。

実は矢部さん、BMWモトラッド主催のレース・GSチャレンジで優勝した強者で、庭に設けた難易度の高いセッションで練習を繰り返していたという。

楽しみが楽しみを生む

バイクに熱中してきた矢部さんだが、趣味はこれだけに留まらない。10年ほど前から自転車のマウンテンバイクも加わった。

「バイクは免許がないと乗れませんから、子供と一緒に楽しもうと思っても難しいですよね。そこで自転車のマウンテンバイクなら一緒に遊べると思って始めたんです。」

ちょうど会社にマウンテンバイクを本格的に楽しむ後輩がいて、八ヶ岳山麓の林道を一緒に走ったところ、都会では味わえないダイナミックなコースに感激。それをきっかけに後輩は、蓼科へ足繁く通い始め、現在、茅野市内にアパートを借り、ライディングの拠点にしているという。有望な別荘予備軍だ。

最近では、トレイルランを楽しむ仲間も加わり、マウンテンバイク&ランのランデブーも行っている。

拾ってきた木で、椅子を作る息子さん。都会だと危ないと言われることも蓼科ではのびのび楽しめる

八ヶ岳山麓は、マウンテンバイクにぴったり。子供と同じ気持ちになって走り廻り、親子の絆がさらに深まったという。高校生になった今も、とても仲が良いそうだ

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矢部さん自作のドラム缶窯。直火のバーベキューだと、火力が強くて焦げてしまうが、ドラム缶窯はオーブンのような感覚で、ピザやバーガーが美味しく焼ける


これぞ大人の秘密基地と呼びたくなる矢部山荘のガレージ。フローリングは自作で、薪ストーブの熱を活用したオリジナル床暖房を導入予定。試行錯誤を繰り返し、現在開発中


31年間、矢部さんと苦楽を共にしてきたBMWR80G
/S。最近は、レースよりツーリングが主体で、蓼科を拠点に秋葉街道中央構造線などへ出かけているそうだ


バイクに乗る15年前の娘さんと息子さん。お2人ともR80G/Sで蓼科を走るのが大好きで、息子さんは免許をとりR80G/Sに乗るのが夢だという


ツアーガイド・Paul Chetwyndさん(右)と走り、テラスでランチ中。マウンテンバイクの猛者(後輩グループ)とライディングを楽しむことが多く、かなり鍛えられたそうだ