大寒を過ぎて、冬本番の蓼科高原。
今冬は雪が降ってもすぐにやみ、積もることがない。粉雪の中、乗り合いタクシー「のらざあ」が元気に走っている。
雪雲が去り太陽が現れると道端の雪は瞬く間に消え、八ヶ岳連峰の稜線だけが白く輝いている。
どこまでも澄みわたる青空の下に広がる山並みは美しく、つい足を止めて見惚れてしまうほど。
だが雪が少ないとは言え、大寒を過ぎて寒さが一層厳しくなってきた。寒くなればなるほど薪ストーブが恋しくなる。
そして、蕎麦もいつもは〝ざる蕎麦〟を注文し香りや喉越しを楽しんでいるが、冬は温かい〝かけ蕎麦〟を選びがち。
薄色の汁の中に浸る麺をすくい汁とともにすすり込むと、身体の芯から温まる。寒さのなか、温かい料理のありがたみを実感できるのも、冬の楽しみなのかもしれない。