爽・秋・賦
ここ数日、日中は真夏を思わせるほど陽射しが強い。
しかし、別荘地近隣を走る、エコーライン沿いでは
黄金色に変わりつつある稲穂が太陽の光を受け、
眩く輝いている。
朝晩の気温も下がっており、
秋の気配が少しづつ感じとれる。
蓼科山の見守る田園風景を前に車を停めた。
晴天の空の下、光り輝く稲穂。エコーライン沿いの田園風景。
あぜ道を歩くと、「わしゃわしゃ」となにかが飛び跳ねる。
そう、最近は少なくなったとも言われている、『いなご』だ。
この『いなご』、この辺りでは、甘露煮にして食べられている。
昔からの貴重なタンパク源であったのだが、
姿煮なので、口に入れるのは抵抗がある方が多いのでは?
私は地元出身であるため、昔、祖母が家で
煮込んでいた後ろ姿を思い出す。
記憶の中の味に思いを馳せ、蓼科自由農園(原店)へ向かった。
蓼科自由農園(原村店)新鮮な野菜や果物、土産品等を販売している。
これこれ!これですよ!この茶色い煮物!
やや辛口の冷酒で一杯といきたい。
発見!やはりありました。『いなごの甘露煮』!
甘くて、香ばしく、カルシウムもたっぷり!?
(とは、祖母の言葉だったか。)
小さい頃はご飯のオカズとして食べていたっけ。
大人になった今は、これを肴に冷酒で一杯なんてどうだろう?
お米(稲)を主食?として育ったイナゴと、
お米から生まれた純米酒・・・。
合わないわけがないだろう!!
中秋の名月は過ぎてしまったが、
爽秋の風を感じながら。
明るく大きな月を見ながら。
五穀豊穣を思いながら。