万治の石仏
信州は、ほのぼのとした道祖神や旅人の安全を祈願する観音像など、
個性的な石仏の多い土地ですが、
万治の石仏ほどの存在感を放つ石仏は、
少ないのではないでしょうか。
巨大な岩の身体に小さな頭がちょこんと乗せられ、
彫りの深い立体的な顔の下には、
平面的な腕や袈裟が岩に彫り刻まれている。
この究極の対比は、一体全体どうしたというのだろう。
見れば見るほど妙な造形である。
しかしながら見慣れてくると違和感もなくなり
不動の賢者ように見えてくる。
考え抜いて生み出されたものなのか、偶然こうなったのか…。
色んな意味で衝撃を与えてくれる石仏である。
信州は自然の素晴らしさはもちろん、
山国の歴史と風土が生み出した文化資産など見所が多いですね。