秋色を探して
10月も終盤を迎え、朝晩の冷え込みも増してきたものの、
樹々の紅葉は、今一つ進んでいない。
八ヶ岳の主峰「赤岳」や横岳の頂に雪がうっすら積もり
山は少しずつ冬支度をはじめているというのに
別荘地内の落葉松は青々と茂っている。
蓼科高原で紅葉の進んでいる場所はないものかと
チェルトの森より少しばかり気温の低そうな
メルヘン街道(国道299号)方面へ北上してみた。
エコーラインでメルヘン街道へ出て麦草峠方面へクルマを走らせる。
雲ひとつない秋晴れの空の下、蓼科山が優しく微笑むように佇んでいる。
視界の広がる田園地帯から森の中へ入り、九十九折の坂道を上って行くが
紅葉に染まる樹々の姿はやはり少ない。
しばらく進んで行くと横谷峡の入口付近で黄色に染まる並木を発見。
パーキングにクルマを止めて並木の近くへ歩いて行くと、その木は白樺。
イチョウの黄葉のように鮮やかに染まっている。
白樺がこれほど見事な黄葉を見せてくれるとは珍しい。
並木の近くに「Herb Marche腸詰屋」なるフードショップがあり、
店の中からソーセージを網焼きする芳ばしい香りが漂ってきた。
これがなんとも食欲をそそる香りで、
思わず極太フランクフルトソーセージのホットドッグを注文してしまった。
ボリュームのあるソーセージを噛むと皮がパリッと裂けて
肉汁がじんわ〜り口の中に広がる。なんてジューシーなんだろう。
あっという間に食べ終えてしまったので、さっそくおかわり。
2個目はバリアンタと呼ばれる赤パプリカ、緑パプリカ、マスタード粒等の入った
香り豊かなソーセージをチョイス。
ジューシーな豚肉にハーブの芳香が交わり、上品な味覚である。
秋風の舞うウッドデッキで、白樺の黄葉を眺めながらホットドッグを食べる。
似合っているのか、似合っていないのか、なんとも不思議な光景だが
美味しく、楽しい、秋のひとときが過ごせた。