秋色プロローグ、新たな旬!
10月だというのに真夏日を記録するなど、まだまだ暑い日が続く日本列島。蓼科も日中は気温が上がり気味で、麓の温かく湿った空気が雲となり八ヶ岳の山頂付近を覆っている。
紅葉も例年より遅れ気味で、標高1,300mほどの場所でモミジやカエデの上の方が少し色づいてきた程度。
緑から橙へ、赤へ、染まりゆく葉のグラデーションが季節の移ろいを感じさせてくれる。
冷涼な気候の諏訪地方は稲の実りが平野より遅く、黄金色に輝く稲穂が水田を覆っている。
蓼科の秋の風物詩の一つである“食用ホオズキ”も旬を迎え、直売店に並び始めた。「地域の特性を生かした新しい作物を作りたい」という気持ちを持つ農家のみなさんが、2000年頃から栽培を始め、今や特産品として定着しつつある。
“食用ホオズキ”は欧米でゴールデンベリーと呼ばれ、フルーツとして広く親しまれているそうだが、日本ではまだ珍しく都会ではなかなかお目にかかれない。
実を覆う外側の袋をバリバリと開くと、丸い黄色の実が顔を出す。見た目はプチトマトのようだが、果肉が軟らかくまろやか。味はパインにどことなく似ており、ココナッツのような独特の濃厚さがある。甘くてほろ酸っぱい不思議なフルーツだ。
また、必須アミノ酸、食物繊維、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、鉄分を豊富に含み、高血圧や貧血予防、美肌、アンチエイジングに効果があるとTVで紹介されたこともある。
“食用ホオズキ”は、美味しく食べて健康づくりにも役立つスーパーフルーツ。秋の蓼科には、季節の恵みが満載だ。