新年は新酒で
早いもので、今年も残すところ10日あまり。
しめ飾りや鏡餅など正月飾りの商品がスーパーマーケットの店先に並び始めている。
「新年を祝うには新酒がぴったり。しかも蔵出しの搾りたて新酒なら、
さらに縁起が良いはず!」と験を担ぎ、上諏訪の酒蔵へ出向いてみた。
甲州街道沿いに点在している酒蔵には新酒の看板が掲げられ、結構賑やか。
まず『初つくり・にごり酒』のタペストリーに誘われるように、伊東酒造・横笛へ。
太い梁と柱に漆喰の白壁を持つ店内は、これぞ酒蔵という古風なもの。
自ずと期待が膨らむ。
試飲用のディスペンサーも用意されており、作り手の自信が窺える。
今回はクルマで来てしまったので試飲はパス。蔵のスタッフの説明を聞き、
搾ったそのままの味が楽しめる『初つくり』と、瓶発酵の『活性にごり酒』を購入してみた。
この『活性にごり酒』は、今年のできたての酒を活きたまま瓶詰めし、
瓶内で十日前後かけてじっくり発酵させた稀少品で、
蔵出し500本限定・店頭販売わずか200本というレアな『にごり酒』。
酵母の働きによる微炭酸が生み出す口当たりは、どんなものなのか?
興味が湧き、新年まで待つことができず、帰宅と同時に栓を空けてしまった。
一気に栓を空けると溢れ出てしまうので、何度かに分けて少しづつ栓を緩めて行く。
シュルルルルルゥッ〜と栓口から漏れる音は、シャンパンのようだ。
ぐい飲みグラスに注ぐと、白濁色のお酒のなかに
シュワシュワと気泡が間断なく立ち上っている。。
舌の上でプチプチ弾ける微炭酸の口当たりはとても爽やかで、まさに新感覚。
さらりとしていながら日本酒ならではのふくよかな味覚が残香として口内に広がる。
新年、我が家に集まる旧友たちにぜひとも自慢したい地酒である。
まだ在庫が残っていることを願って、上諏訪へ再度出かけてみなければ…。