蓼科生活 Vol.16 継承、発展、蓼科に新しい風。
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圧倒的な吹き抜け空間が広がるリビングルーム。カナダのリゾートハウスが妥協なく再現されている

清涼な森の中に佇むゲストハウス『シーダーヴィラ』。
昨秋、新オーナーの橋本伸一郎さんにバトンを託し、新たな試みに取り組んでいる。
蓼科を拠点に広めていく文化、交流の輪……
別荘ライフの可能性を広げる新しい風が、今、吹き始めている。

蓼科高原の気候はカナダに似ており、カナダの住宅との相性は抜群と言われている。日本とは思えない景観だ

 まるでカナダの森へやってきたかのような錯覚を覚える『シーダーヴィラ』。建材から建具にいたるまでカナダから取り寄せ、エントランスホールに一歩足を踏み入れた瞬間、ここが日本であることを忘れさせる異空間を創り出している。
 一日一組限定のプライベート性の高いゲストハウスとして20年余の長きにわたり親しまれ、昨年秋、二代目オーナーとして橋本さんが引き継いだ。

素材やカラー、家具にいたるまでトータルコーディネートされたインテリア。
洗練された空間でゆったりとくつろげる

 橋本さんは前オーナーの中学時代のクラスメイトで、五年前の同窓会で数十年ぶりに再会し、蓼科高原でゲストハウスを営業していることを知ったという。登山が趣味で日本百名山を全て登頂している橋本さんは、八ヶ岳山麓に何度も訪れ、湿度の低い爽やかな気候や明るい景観、八ヶ岳、南・中央・北アルプスを一望できる山岳風景に以前から惚れ込んでいた。さっそく『シーダーヴィラ』を利用し、建物と調度にも圧倒されたという。

チェルトの森で、新しいリゾートライフを仲間と一緒に
提案・提供していきたいと語る橋本伸一郎さん

フルサイズのベッドが配置されたスィートルーム。
贅沢なひとときを演出してくれる

 また同窓生の中に国内外で活躍する箏奏者の竹田和子さんがおり、仲間と集い『シーダーヴィラ』のリビングルームでプチ演奏会を開催した。吹抜空間は音の響きが良く、間近に聴くプロの生演奏に一同感激。深い森に包まれたリゾート地という特別感もあり、唯一無二のひとときとなった。
 そして前オーナーから「還暦を過ぎ身体もきつくなってきたので、『シーダーヴィラ』を閉めようと思っている」と聞き、これだけの施設なのにもったいない!と一念発起。間もなく65歳になり仕事の第一線を離れる日も近いことから、第二の人生を『シーダーヴィラ』に賭けてみることにしたという。

森を眺めながら入浴できるバスルーム。ホワイトシダーのやさしい香りが心地よい

リゾートの楽しさ、豊かさを広げる
『シーダーヴィラ』セカンドステージ

 当初の予定では、今春から宿泊営業をスタートするつもりだったが、まだ仕事の区切りがつかないことから、今年は同窓生や知人に限定したプレ営業に留めていると橋本さん。新型コロナ対策としてリモートワークにも活用しているとのこと。
 また、新たな試みとして企業の経営者の集いを開催したところ、自由闊達に意見が飛び交うとても有意義なミーティングになったという。森のマイナスイオンで頭がクリアになるのか、リラックスした雰囲気の中で伸びやかに意見交換できるようだ。

燦々と光が降り注ぐダイニングルーム。ミーティングの場としても活用できる

木洩れ陽とそよ風が心地良いウッドデッキ。ティータイムやバーベキューなどが楽しめる

 今後は、箏奏者の竹田和子さんと尺八奏者の山田典山さんを中心とする『アンサンブル・リベルタ』のミニコンサートも定期開催する予定。箏と尺八に、バイオリンやコントラバス、フルート、シンセサイザー、パーカッションなどをリベルタ(自由)の名の如く自由に組み合わせる和洋楽器アンサンブル。伝統的な邦楽から、クラシック、ラテン、映画音楽、ポップスなど様々なジャンルの音楽をアレンジし、楽しく心地よい音楽を目指して活動している。

プロの演奏を間近で聴くことができるミニコンサート。演奏者と観客とのコミュニケーションが、音楽の輪を広げてくれる

日本の伝統楽器と西洋楽器とのコラボ・セッションを楽しむ「アンサンブル・リベルタ」。
7月下旬のミニコンサートでは、箏の竹田和子さん(左)、尺八の山田典山さん(中)、ヴァイオリンの伊藤実知子さん(右)が、
既存の枠を超えた心弾む演奏を披露してくれた

 今年の7月下旬に『シーダーヴィラ』でプレ開催されたミニコンサートでは、箏、尺八、バイオリンのトリオが、バッハからビートルズ、映画音楽、70年代の歌謡曲やフォークソングなど懐かしいメロディーを演奏した。曲が進むにつれ客席と演奏者が一体となり、吹抜のリビングは笑顔で満たされた。

広大な吹抜空間のリビングルームの響きは、まるで音楽ホールのようだ

 橋本さんの「清々しい蓼科高原の自然に包まれた『シーダーヴィラ』で新たなリゾート文化を発信していきたい」との熱い想い。その想いに共感してくれる仲間たちが皆でウッドデッキのペンキ塗りをしてくれたり、椅子を直してくれたり、『シーダーヴィラ』を自分の家のように愛して協力してくれているという。

橋本さんの熱い想いに共感し「シーダーヴィラ」を盛り上げてくれる仲間の皆さん。
これからの蓼科に新風を吹き込んでくれるはず

 一日一組だけのお客様に、ご家族だけで、お友達同士で味わっていただく特別な時間、リゾート会議や研修、オーナーが気軽に参加できる音楽の集い…。来たるべきオープンに向けてプランを着々と練っている橋本さん。美しい四季の彩りの中で繰り広げられていく『シーダーヴィラ』のセカンドステージに期待が膨らむ。

ゲストハウス「シーダーヴィラ」 TEL.080-6977-7500 Email│cvilla@jcom.zaq.ne.jp
〒391-0213 長野県茅野市豊平770チェルトの森鳴岩2-1-7(テニスガーデン隣)